ポスト安倍えらび

 

こさいたろうの視点・論点 0153

2020/08/29

 

ポスト安倍えらび

 

安倍首相の記者会見、大方の予想を覆し、退陣表明となった。8/18に知人が得た「辞任」情報、日付も含めてドンピシャ。偶然なのか、それとも…。情報源が気になるところだが、いずれにしても、かなり深刻な病状だったからこその情報だったように思う。

 

安倍首相の辞任は、想像以上に影響が大きいと思う。8年近くの間、良くも悪くも、安倍氏が首相であることを前提として日本の社会が成り立っていた。いつか終わりが来るとは分かっていつつも、終わりの後のことは賛成派も反対派も真剣に考えていなかったのではないか。

 

ことあるごとに安倍首相に異議を唱えてきた室井佑月氏が、「あしたから何を心の支えにしようというか」とラジオで述べたという。安倍首相支持者のみならず、「アベ政治を許さない」と口角泡を飛ばしていた人たちにとっても、そのよりどころがなくなることを意味する。

 

つまり、安倍政権打倒が合言葉の野党結集も、その理由を失う。安倍政権をどのように総括するかも重要だが、その上で、どんな日本を目指すのか。準備するバスの行き先はどこなのか。運転手は誰で、経由地はどこか、明確に示す必要に迫られる。

 

この後、数週間以内に新しい自民党総裁が選出され、新しい総理大臣が誕生する。自民党の中では石破氏が、目指すべき国家像を示し、国民に問いかける総裁選をすべきと主張するのではないか。しかし、今の実力者たちは安倍政権下における絶妙なバランスが崩れるのを嫌うはずだ。

 

両院議員総会の規定を使い、所属国会議員の投票で新総裁を選出するのではないかと予想している。派閥の論理で決められる方法。重鎮たちの本音は、密室で候補者一本化、両院議員総会で信任、ではないかと思う。20年前、小渕首相が倒れた後、森首相が選ばれた形。さすがにそれはできなさそうだが。

 

自民党総裁選が、安倍政権の総括と、それを踏まえた新しい方向を争う機会になることが、国民にとって望ましいが、そうはならないだろう。理念・政策の論争を望まないのが日本社会の特徴だから。しかし、ここを変えなければ責任ある政治は生まれない。

 

折しも、米国では大統領選挙戦が始まっているが、良くも悪くも、トランプ対バイデンで理念・政策を競っている。非常にわかりやすい。しかも、この決戦に至るまでには、民主・共和両党内でそれぞれ、候補者を選ぶために激烈に競い合っている。民主党で言えばバイデンやサンダース、ハリス…。

 

政治家にとって必要なこと。それは、自らの思いや考えを言葉によって示し、議論し、民に問うこと。このプロセスが責任ある政治へとつながる。私は安倍政権に批判的に立場だが、安倍政権は民に問い、多数の賛同を得てきたことは受け入れねばならないと思っている。

 

さあ、問題はこれからだ。どんな自民党の総裁選びになるか、注視しよう。もしも、理念や政策を競い合うような総裁選にならないならば、次の解散総選挙が重要だ。その時、野党が明確な旗を掲げられないならば、何らかの形で国民は立ち上がらねばならないのではないだろうか。我々の未来を拓くために。

 

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

 

 

内閣改造をみての感想

 

こさいたろうの視点・論点 0067

2018/10/08

 

内閣改造をみての感想

 

>  新内閣、ご感想は…?

 

というメールを頂きましたので、感想を記し、ご返信しました。今回の「視点・論点」は、そのお返事をそのまま掲載致します。皆様はどのような感想をお持ちでしょうか。気になるところです。よろしければぜひ、皆様のご感想もお聞かせ下さい。お待ちしています。

 

Iさん

 

おはようございます。

枝豆の収穫・出荷、月曜日の稲刈りも控え、何となく余裕がなくてすみません。

 

以下、内閣改造の感想です。

 

 

あれだけ世間を騒がせた財務省・公文書改竄、政治サイドが全く責任を取らないなんて言うことがあっていいのでしょうか。麻生留任は許せないことです。悪しき前例を作ってしまいました。

 

甘利、党四役入り。これも、不起訴だったとはいえ、都市公団・口利き疑惑は全く晴れていません。これも、あの程度のことは許される、というメッセージを発してしまいました。

 

稲田、党要職で復帰。防衛大臣としてあれだけの無能ぶりを見せつけられた国民としては、役職に戻すのは早すぎませんか。リベンジに値する功績はあったでしょうか。ないですよね。

 

下村氏も同様ですね。疑惑が晴れず、うやむやですから。ただ、一部情報では、息子への禅譲のため地元で動き出したとも聞こえてきます。どうなんでしょうか?

 

初入閣の面々は、ほとんどが在庫一掃なんでしょうね。ほとんど存じない人たちです。役人が作ってくれた作文を読んでいればいい、余計なことは言うな、との官邸からの厳しい指示があった人もあると聞きます。推して知るべしです。

 

唯一、少しだけ注目しているのが、石破派から法務大臣になった人。なかなかの能力があるようですね。安倍一強の中、石破支援を貫いたところも見どころありますよね。今後、安倍首相サイドに取り込まれないかどうか、が見ものです。

 

いずれにしても、Iさんご指摘の通り、小選挙区制度下の強すぎる与党、強すぎる執行部がなせる業だと思います。国会議員がサラリーマン化していることが大いなる問題だと憂慮・懸念しています。

 

以上、雑感まで。

 

農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)

 

 

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