こさいたろうの視点・論点 0053
2018/06/11
パソコン起動不能になって思ったこと
6月3日、再起動をかけたパソコンに異変。不具合があり、修復もできず、windowsが起動できないという画面に。いろいろな修復メニューが画面に並んでいるので、初期化以外のすべてを試みるも、全く改善せず。これは困ったことになったと、改めて愕然。
この視点・論点も、データはすべてパソコンにあり、メール送信やfax送信もパソコンから。また、メインの仕事である野菜やたまごの販売も、お客様のデータ、生産者さんとのやり取り、伝票の発行からお金の管理など、ほとんどの業務を不具合の生じたパソコンで行っている。
あろうことか、パソコンに保存されているはずの復元ポイントは直前に行ったシステムチェックの折に消失してしまい、残っているのはお正月に念のため外付けハードディスクにとっておいたバックアップファイルのみ。でも、まずはデータが大切なので、データを取り出す方法をネット検索で懸命に調査。
ubuntuというLINAX OSで起動できればデータを取り出せることがわかり、祈る気持ちで試してみた。結果は成功。すぐに外付けハードディスクにコピーし、まずは第一段階、一安心。ノートパソコンを使い、火曜日の出荷作業は何とか遺漏なく行うことができた。
残すははOSの復旧。結論としてはバックアップソフトが機能してお正月時点の状態に復帰させることができたのだが、復元方法がよく理解できずに四苦八苦した。そこに、取り出したデータをコピーして、ほぼいつもの状態に戻すことができた。日常業務に田んぼの作業などと並行して行い、結局、金曜日の午後までかかった。
昨年末、パソコンに何かあっては大変だとなぜか思い立ち、お正月に最低限のバックアップをしておいて本当によかった。自分の生活はパソコンなくしては成り立たないのだと、改めて考えさせられた。自分が幼少のころには、パソコンというものは影も形もなかったわけで、時代の急速な変化を考えさせられた。
自己責任と言われればそれまでなのだが、なぜ今回このような事態になってしまったのか、振り返ってみた。おそらく原因は、windows10の自動アップデート。常に最新の状態になるように自動更新設定していた。起動不能になる直前、かなり時間のかかる更新が行われたのだ。
今回の「起動不能事件」で、いろいろとネット検索をかけてみた。すると、大きな更新の際には起きやすい問題なのだそうだ。だから、自動設定せずに、少し時間をおいてから更新すべきだと。大きな会社などでは、一年ほどおいて、更新機能に不具合が生じにくいように修正されてから更新するそうだ。
先述したとおり、今や僕のような零細個人事業主であっても、業務にパソコンは必須。欠かせないインフラだ。今回のようなことがあると多大な時間的損失を被る。場合によっては、これまで積み重ねてきたさまざまな情報が一瞬にして消え失せる恐れすらあった。
自己責任、それは理解しているつもりだ。だからこそ、自分でバックアップもとってきた。しかし、僕が予想している通りに「自動更新」が起動不能の原因であった場合、果たして自己責任と切って捨てるだけで本当にいいのだろうか。
パソコンが今や社会の基礎的インフラとすれば、システム更新の危険性をもっと十分にユーザーに知らせるべきであるし、データのバックアップや復元ももっと安易に行えるように改善すべきだ。今回は過去の経験から時間がかかりすぎると思い利用しなかったが、サポートの充実も必要ではないか。
携帯電話やスマホも同様だが、私たちの生活に欠かせないものとなっていく反面、その不具合に関しては使用者の責任が大きくなり、作り手・売り手側の責任が回避される傾向が大きくなっているような気がしてならない。つまり、少しずつ「やさしくない社会」になりつつあるような気がしている。
私たちが望む社会とはどのような社会か、不断に考えていく必要がある。
農夫 こさいたろう(小斉太郎;元 港区議会議員)
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